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さよなら400系“つばさ” :by 前里 孝

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先週の末,JR東日本の新幹線400系電車がさよなら運転を行なった.E3系の2000番代が増備されつつあり,間もなく姿を消すであろうことは判っていた.けれど,それがこの4月のことであり,さらには僕が南東北に出かける(どんな内容かは近日号をお楽しみに)ことになっていた週末に運転されるということは,ウカツにも認識していなかったのだ.
 仕事が終わって東京へ戻る途上,E3系に統一された米沢ー福島間を見ようと寄り道してみたら,記念列車はとっくに通過したはずの時間帯(土曜日も日曜日も,朝に新庄を出て昼に東京へ到着するスケジュールだった)なのに,沿線にはカメラを持ったファンの姿が…….“回送がさっき通過したんですよ”ですと.
 知っていればそれに間に合うスケジュールを組んだのだけれど後の祭.まぁ,新幹線の場合はヘッドマークが付くわけでもなく,ましてや回送ともなれば,いつ撮ったか判らない写真になるに過ぎないから,と,少し負け惜しみ.

それにしても時間がたつのは早いもの.試作車を仙台で撮影したのが,つい先日のように思えてならない.暦を繰ってみれば,その試作車をもとに量産仕様が決定され,営業運転を開始して,そうして新庄への延長があり,合わせて塗色が変更され……と,それなりの時間が経ってはいるのだ.

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9年半前の仙台総合車両所.秋の夕日に輝く車体がとても印象的だった.流線形車体の先頭カバーを開閉式として連結器を収納し,分割併合運転を行なうのは日本で初めてだった.そもそも“新在直通”ということばはこの時に生まれたものである.

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運転室脇の楕円窓が特徴的だった試作車.車輛の直前がよく見えるように,という実用面の目的はともかく,デザイン的にはホクロみたいで大好きだったのだが,量産仕様では廃止され,試作車も標準化改造で埋められてしまった.

この400系は,さまざまな意味で話題が豊富だった.新在直通,新幹線の駅での分割併合運転ということはもちろん,試作車を仙台までの輸送では,日立製作所の笠戸工場を出発,兵庫で川崎重工に取り込んで川崎重工製車輛を併結,さらに川崎貨物駅では逗子から運ばれて来た東急車輛製と合流してようやく1編成となり,そこから東北本線を経由して岩切へ,という,いにしえの“多層建急行”のような方法が採られたのだった.量産車は編成ごとにメーカーが振り分けられたから,それぞれのメーカーから岩切まで直行となり,そしてE3系では甲種輸送ではなくなった.

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夕日に映えるE3系1000番代.赤岩からの坂道を一気に駆け下って庭坂の大築堤を通過するところ.奥羽本線のこの区間は,EF71やED78の撮影に始まり,400系,719系5000番代,そして進藤義朗さんの著書“奥羽本線福島・米沢間概史”の纏めを担当するなど,思い出がいっぱい詰まっている

AIZUマウントエクスプレス(会津鉄道8500系)を追った2日+1日(3月24日編) :by なんこう

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4月近くなってもまだうっすらと雪をまとう山をバックに快走する8500系 会津長野-養鱒公園

さて水曜日、今度は“走り”を撮りにふたたび南会津へ向かいました。今回は修理から上がったばかりの愛車に乗って東北自動車道で宇都宮、そこからは日光宇都宮道路で今市まで行きます。ここでスペーシアけごん1号でやってくる平野君と合流する予定です。

編集部から午前2時半頃帰宅し、それからカメラ機材の用意や撮影ポイントの情報収集などをします。風呂に入り夜食を食べたら午前5時! もう出発の時刻です。嗚呼、今回も徹夜での出発です。大丈夫でしょうか・・・

余裕を持って出発しすぎたのか、SAで休憩しながらも7時台には今市に着いてしまった私は、平野君と合流するまでやることがありません。そうだ、新高徳の鉄橋でも撮影しておこう。ここは東武線では有名な撮影ポイントです。6050系を水鏡で色々な角度から数カット撮影。スペーシアが来なかったけどまぁいいか・・・ と、出発しようとしたその時、スペーシアが現れました。回送なのでダイヤには反映されていません。うう・・・ 撮り漏らしました。

さぁ、車に乗って時刻表をよくよく見てみると平野君を今市でピックアップすると、どうやら会津鉄道線内で8500系を撮影するのは無理そうです。う~ん、雪山をバックに撮影したいからなぁ。できればより奥地の会津鉄道内で撮りたい。ここは平野君に川治温泉の鉄橋を撮影して貰って、ボクは会津線まで向かった方が良さそうです。

予定を変更し、カーナビで撮影ポイントと決めた会津下郷のトンネルを指定すると新高徳から72kmと表示されました。げっ!結構遠い。急がないとロケハンする時間がなくなりそうです。下今市で合流は無理と携帯で平野君に告げ、彼には手前の野岩鉄道・川治温泉付近で撮影して貰うことにしました。待ち合わせは会津高原尾瀬口に変更し車を発進しました。

車で野岩鉄道沿いの国道121号線を駆け上がり、栃木・福島の県境となる峠を目指します。月曜日は川治温泉辺りから雪景色になったのですが、3駅奥の中三依温泉付近になっても雪は一切見えません。こりゃあ、もしかして全部溶けてしまったか・・・ 焦りつつ北上を続けますが、雪はない(汗)。男鹿高原駅に近づいたころやっと山の斜面に雪が見え始めました。峠近くでこれでは・・・ かなり期待薄です。隣の会津高原尾瀬口に着くと地面のところどころに雪が見えまてきましたが、先日とはえらい違い。ここから会津若松方面に進んでも標高が下がるため、むしろ雪は減ってしまいます。会津下郷はかなりまずいかも・・・ 不安になりつつ車を進めると、20分ほどで会津元郷に着きました。やはり雪は一切なし!こりゃダメだ。その頃、平野君は・・・

平野君は下今市でスペーシアを降り、会津田島行きの6050系普通電車に乗り換え川治温泉駅で降りました。駅を出るとすぐにコンクリート橋があります。ここで6050系を狙おうというわけです。何枚か撮影したようですが、フィルムカメラで撮影したため現像はまだです。ですから結果は分かりません。

そんな平野君が駅からコンクリート橋を目指す際に見つけたカラスよけグッズを撮影しています。カラスの死体は奴らにとって良い脅しになるようです。今でも場所によっては本物を吊しているようですが、これはさすがに樹脂製です。

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吊されたダミーカラス。カラスの被害を避けるための脅しグッズだ 川治温泉付近 撮影:平野 聰

その頃、私は会津下郷での撮影を諦め、少しでも雪山がバックで撮影できる会津高原方面に逆戻りしました。カーナビを眺めつつ、色々と車で回っていると会津長野-養鱒公園間で田んぼが手前、奥に雪の積もった小高い山が見えてきました。うん、良い雰囲気。よし!ここで撮影しよう。デジカメとビデオを設置します。ビデオは会津長野の出発時間から回しっぱなしにしておきます。カタンカタン・・・軽快な音をさせてAIZUマウントエクスプレスがやってきました。ここで撮影したビデオが一番上の映像です。少し離れたところでデジカメ撮影もしました。

その後、平野君と会津高原尾瀬口で合流、次は鬼怒川温泉付近で東武線内を走る8500系を撮影しよう!となりました。しかし、まだ8500系が戻るには時間があります。そこでトンネル内に駅のある湯西川温泉駅で駅撮りをしました。トンネル手前は長いトラス橋があり、そこを列車は走ってトンネル内のホームに進入します。平野君がカメラを構えてパチリ!それが下の写真です。この頃から雨が降り始めました。

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トンネル内にある湯西川温泉駅に進入する6050系 撮影:平野 聰

このあと、鬼怒川温泉付近まで降りましたが、雨脚は強くなるばかり。なんてこったい・・・ しばらく車内で待機していましたが、止む気配がないので、飛び出し俯瞰写真を撮るべくロープウェイへ向かいました。しかし、雨で頂上は完全にガスっています。

「ここから頂上が見えないということは俯瞰写真は無理だよ」

平野君が嘆きます。私はどうしても頂上から撮りたかったのですが、私が見ても確かに無理そう・・・ 仕方なく、川沿いに居並ぶホテルの隙間から鬼怒川線をゆく8500系を一枚押さえました。でも、どしゃぶりだったため輪郭はぼやけてしまっています。

この後は、折り返し鬼怒川温泉駅を発車する8500系を野岩鉄道内で迎え撃とうと、また国道121号線を北上しました。午後3時をまわり、この頃から雨が本格的な雪に変わりました。しかもかなりの量です。川治湯元駅付近ですでに雪景色に変わっていました。もうここで撮ろう。
 斜面を降りて、川治湯元駅を出てすぐのトンネルポータルの上から構えました。構えて2分、8500系がやってきました。悴む指をなでつつ撮影したのが下の写真です。

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豪雪で少し先も見えない有様。これが最後の8500系撮影となった 川治湯元駅

最後にもう少しだけ写真を撮ろうかと、湯西川温泉の鉄橋へ向かいました。すると雪の勢いが凄いため橋の向こうの風景が見えません。橋がホワイトバックに浮かび上がっています。まるで模型のようです。

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湯西川温泉のトラス橋を渡る会津鉄道AT-650形“AIZU尾瀬エクスプレス”。寒かった・・・ 中三依温泉-湯西川温泉

ビデオも撮影したので、こちらもどうぞ。鉄橋進入前の警笛が良い感じです。



これで撮影終了、最後は睡魔と戦いながら東北道をひた走り東京へと戻りました。

そうそう、写真だけでは何なので、会津田島駅で8500系さよなら記念乗車券とストラップを購入しました。切符は流行の硬券が4枚セット(1500円)になっています。ストラップ(840円)は下ぶくれの前面形状と良い、塗装と良い、特徴をとらえています。

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携帯ストラップと記念切符。会津田島駅か西若松駅にて購入できる。

合計3日間、結構な強行スケジュールでした。しかし、東武・野岩・会津鉄道ファンとしてはどうしても消えゆく8500系で“乗り”“撮り”を堪能したかったのです。会津鉄道によると引退の正確な時期はまだ未定のようです。ただ、それも4月が5月になるかな?程度のことのようです。皆様も廃車になる前に、乗りに出掛けては如何ですか?私はもう1回行ってみたいかも・・・
(おわり)

AIZUマウントエクスプレス(会津鉄道8500系)を追った2日+1日(3月22日編) :by なんこう

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定刻通り7時35分に到着した日光1号(485系G58編成) 池袋駅

さて続きです。

21日は丸々予定がチャラになったので、徹夜の体にたっぷりと睡眠を与えてやりました。おかげで翌日の22日(月曜日)は元気いっぱい・・・のはずですが、やはり深夜は眠れなく微妙な体調での出発となりました(汗)

今日は自宅をゆっくり出発したので新宿ではなく、より近い池袋駅からの乗車となりました。日光1号に使用される車両はスペーシアではなくJR東日本の485系(小山車両センターG58編成)です。これは“あいづデスティネーションキャンペーン”にて2005年の臨時“あいづ”に使用された編成です。その後改造され、今は東武線乗り入れ特急“日光・きぬがわ”専用車となっています。息子はスペーシアが好きなので、できれば乗せてあげたかったのですが、この列車でなくては日帰り旅行でAMEXには乗れません。私的にはスペーシアはもう何度も乗っているので485系は嬉しいのです。その485系は下今市で下車、6050系に乗り換え鬼怒川温泉駅へ向かいます。

鬼怒川温泉駅で下車すると向かいには会津鉄道8500系が停車していました。うぉー!跨線橋を駆け上がり(駅構内は静かに歩きましょう)、誰よりも先に写真を撮ります。嫁には座席を確保するよう指示します。何枚か撮っていると、浅草発のスペーシアきぬ103号が到着しました。到着と同時にわらわらと乗客が8500系に乗り込んできました。私も8500系に乗るため、反対ホームからのツーショット写真は撮れませんでしたが、まぁ、そこは諦め車内に入ります。

ボディは一部錆が浮かび塗装も色あせていましたが、車内は割と綺麗でした。これを廃車にするとは正直もったいない・・・ ランニングコスト? 検査費用の問題? 交換部品調達が困難? 色々な理由が考えられますが、会津鉄道にも様々な事情があるのでしょう。すでに後釜となる気動車は完成したとのこと。そちらの方が金銭的に有利だったのは間違いなさそうです。しかし、ファンの目から見るともったいない・・・

発車して2駅、新藤原駅を出て野岩鉄道線内に入ると急に勾配がきつくなります。8500系は米国カミンズ製のエンジンを搭載しているためドルルルル・・・と独特のうなり声を上げ、登り始めます。録音ファンは録音しておいた方が良いでしょうね。もし良い音源があったら私にください(笑)

川治温泉を過ぎたあたりから、地面はうっすらと雪化粧をまといはじめました。前日の雪が残っていたのでしょう。男鹿高原を過ぎる頃には一面銀世界です。晴天と雪山のコントラストがあまりに綺麗だったので、息子に見てみろ!と指さすと、彼はすっかり寝入ってました。なんなんだか・・・

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(上写真)下今市で日光1号から6050系鬼怒川公園行きに乗り換え
(下写真)峠を越えた最初の駅、会津高原尾瀬口はすっかり雪景色。ここから会津鉄道になる

そのあと終点の喜多方駅に到着。早速、8500系の前に息子と嫁を立たせ記念撮影をしました。これで大きくなってから「ボクは8500系に乗ったことがない」とは言わせないぞ、と。さぁ、記念撮影が終わったら対向ホームからの撮影です。跨線橋を足早に目指すと

「あの〜、なんこうさんですよね?」

声を掛けてくださったのは誌面にも何度か登場している林 信之さんです。ああ〜、どうもこんにちは。林さんはこれから折り返しのAMEXに乗車するようでした。「何かの帰りですか?」とお話したいところですが・・・ 発車前に対向ホームから写真を撮らなくては! それじゃあと、足早に跨線橋へ向かいました。林さんも8500系のファンなのかもしれませんね。

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“8500系を前にして記念撮影する私”を撮影していた林さん。この日の晩には写真をメール添付で届けてくださいました。ありがとうございます。 喜多方駅 林 信之氏 撮影(掲載承諾済)

一通り撮影したら、お腹がすきました。喜多方ラーメンを食べることに。それほど遠くへ出掛ける時間はありません。駅からすぐのラーメン屋さんに入りました。味は醤油ベースのちぢれ麺です。喜多方ラーメンというと以前は江古田駅近くに“喜多方ラーメン 坂内・小法師”があり、よく通っていました。麺やチャーシューはあの味に良く似ていました。ところで、息子はおいしくても「おいしくない!」という悪いクセがあり、注意してもなかなか直らないのですが、このラーメン屋でも「おいしくない!」と言い出しました。さすがに気まずくなり、そそくさと店を出ました。

その後、土産物店に入り編集部向けにラーメンせんべいを購入し、その後は“煉瓦”という喫茶店に入りました。喫茶店は本物の煉瓦造りのお店で元々は米倉だったとのこと。ここのダッチコーヒーはお安い割においしかったです。東京なら浅草アンヂェラスのダッチコーヒーもお勧めです。

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喜多方駅前の喫茶店で休憩。ダッチコーヒーとは水で少しずつ抽出するコーヒーのこと。風味が熱で失われず濃厚な味となる

その後はあかべぇ塗装の“あいづライナー”に乗り郡山へ、そこから福島を目指しました。そこで、山形新幹線の開放と連結シーンを2本見て帰路に就きました。昨日の切符ではつばさの券を押さえていたのですが、今日の切符は昨日取ったため、つばさは満席でした。仕方なくMAXやまびこの2階席に座ることに。でも、こちらの方が眺めは良いですから、息子も満足したようです。

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E4MAXやまびことE3系1000番台つばさの開放シーン。できれば残り1本となった400系が見たかったのだが・・・ 福島駅

ここから2時間足らずで東京駅に着きました。新幹線を使うとなんとあっけのないことか。下車すると息子は帰ることを悟ったのでしょう。途端に帰りたくないと泣き叫び始めました。嫁は「うるさい!」と怒鳴るばかり。このままでは池袋駅に向かったら益々泣くなと思った私は、

「じゃあ、今から中央線で新宿行って、そこから渋谷で副都心線に乗ろうか?」

と話しました。副都心線は息子のツボです(笑)。メトロ10000系がめっぽう好きな息子は渋谷に行く行くと喜び出しました。その副都心線は西武線へと続いているのだよ、とはおくびにも出さずに・・・

副都心線のホームに入線するメトロ10000系を見て、息子は大興奮、車内でもずーっと窓の外を眺めていました。練馬に到着するころには、旅の疲れもあったのでしょう。すっかり、寝入ってました。寄りかかる息子をよそに私は別の野望がムラムラとこみ上げてきたのです。

「よ〜し、こりゃ今度は車で会津に行き“走り”を撮影しないとなぁ」

そして平野君を誘い、水曜日にふたたび会津を目指したのでした。
(つづく)

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