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小学生の時分、放課後の選択肢といえば専ら野球かモノポリーだった。
英語で「独占」という意味を持つモノポリーは、人生ゲーム以上のロングセラー商品なのでご存知の方も多いだろう。ボードの四辺を双六の要領で周回しながら、升目にある不動産や企業を購入・買収し、入手した物件の升目に止まった他のプレイヤーからレンタル料を徴収するゲームで、最終目的は「自分以外の全プレイヤーの破産」による独占的勝利である。

1人勝ち残るまでひたすら周回を重ねる。買収のための交渉が魅力の一つだった。
モノポリーは1プレイに3時間以上かかるのが当たり前なので、勝ち残ると達成感があるが、負けると悲惨だった。というのも、破産すると完全にゲームから除外され、他の参加者が遊んでいるのを黙ってみていなければないからである(プレイヤーへの助言はルールで禁じられている)。これは大変な苦痛で、特に序盤で弾き出された時の絶望感は一言では言い表せない。不況の真っ只中だったためか遊びと言えど「破産」という単語はヤケにリアルに響いたし、何も出来ずに放置される孤独感の余り、一人残った勝者以外の全員が半ベソをかいて帰るという事態が頻発したことを覚えている。そんなお世辞にも教育的とはいえないゲームながら、級友の誰もがルールを熟知し、飽きもせず3年以上も遊ばれ続けたのだから、やはり名作と認めざるを得ない。

学級の4人に1人は持っていたモノポリー。幾つかバージョンがあり、私が持っていたのは日本版である。
そんなモノポリーに匹敵する中毒性を持ったボードゲームが、2004年に発売された「乗車券」である。舞台となるアメリカの都市間に線路を引き、点数を競い合うシンプルなゲームだ。プレイ中にとれる行動は、線路を引く、線路を引けるカードを集める、書かれた都市間を結ぶと得点がアップする目的地カードを引く、の3種類のみ。得点も、線路を引く、目的地カードを達成する、最長線路を引く、の3種類しかない。

チケットトゥライドのパッケージ
総合すると、限られた選択肢の中で計画的に都市間を結び高得点を得るというのが基本的な遊び方になるが、より多く得点するために他のプレイヤーが狙っている区間にも線路を引く妨害工作を行う必要があり、緻密な戦略が求められるのが面白い。単純ながらもゲームバランスに優れ、何度も遊びたくなる一作である。現在、ドイツ・フランス・スペイン・デンマーク・フィンランド・日本の6カ国でゲーム大賞を受賞しており、バンダイから「チケットトゥライド」というタイトルで日本語版も発売されている。模型製作の合間に、こんな鉄道ゲームで肩をほぐすのも良いかもしれない。

プレイ中の風景。ボード上にアメリカの都市が広がっており、カードを集めて対応する色の空欄に線路を引いていく。左の地図が描かれたカードは目的地カードで数字が得点である。
※ミニ・ネイチャーは1回休みます。
月刊とれいん No.429
レイル No.75
