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イリス商会という名前を耳にして,どのぐらいの数の方が膝を打ってくださるだろうか.ドイツ系の輸入蒸気機関車に興味と関心を持っているファンならば,聞き覚えのある名前に違いない.けれど,とれいんの5月号“伝言板”をご覧になって名前を知った方もおられるかもしれない.しかも,その文章からは,その実態はよく判らなかったかもしれない.
ということで,「イリス150周年-近代日本と共に歩みつづける或るドイツ商社の歴史」展を見るために横浜美術館まで出掛けてきた.
この企画展,かつて発売していた鐵道聯隊の双合式機関車の模型を展示したいという問い合わせがあり,それをきっかけとして,鉄道関連の展示について少しばかりのお手伝いをすることになったのである.企画展のスタートは4月6日だったから,もうとっくに紹介してるべきだったのだけれど,なにしろ横浜へすら出かける暇がなく,5月中旬になって.ようやくその時間を得ることができたのである
見てきた印象はといえば,全体に占める鉄道の割合は低いものの,シュヴァルツコッフから輸入した鐵道院8800形のカタログ(原本)や,双合式機関車の樺太における活躍の様子を記録した写真,そしてイリスの銘板がキャブ側面に輝く,牧野俊介さん撮影になる鞆鉄道4号機の写真など,充実したものであった.
聞けばイリス商会(現在は株式会社イリス)は,ドイツの本社も日本の事務所も戦災によって記録の大部分を失っているとのこと.しかし,今回の企画をきっかけにして,過去の歴史資料を改めて纏めようという気運もあるとか.大いに期待したいものである.
会期は6月7日まで.まだまだ時間はある.ぜひとも横浜へと足を向けてくださり,江戸時代末期から日本に生きるドイツ人の歴史に,少しでも触れていただきたいと思う.

展示は二部屋に亘っている.写真は取り扱い製品や,関東大震災で失われ,近年になって遺構が発掘された初代社屋に使われていたタイルなどを展示した部屋.もう一部屋には写真や古文書が展示されている.
鉄道用品に関する資料の展示.左は岡山電軌で使われていた溝付レール,中は双合式機関車の模型と樺太における記録写真.右はシュヴァルツコッフ社のカタログ.8800形が収録されている.

壁面にはイリス商会が扱って日本に到来した機関車たちの写真.双合式,B6(2400形),8800形,DC10,そして鞆鉄道4号機.なお,いずれの写真も事前に許可をいただいて撮影したものである.

横浜美術館の正面外観.最寄り駅はみなとみらい線のみなとみらい.
おまけ?
5月20日,京成電鉄の最新スカイライナーがベールを脱いだ.“とれいん”では満を持して取材し,来月号でその全てをお目にかける予定.まずはそのお披露目シーンを……
月刊とれいん No.429
レイル No.75
