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レイルについて

“レイル”の始まりは昭和53/1978年のことです.
 企画したのは黒岩保美です.黒岩といえば,長らく国鉄の車両設計事務所に在籍して多くの特急のヘッドサインをはじめ,国鉄車輛の表記文字をデザインした人です.“国鉄書体”と呼ばれる文字の多くは,黒岩が正式に図面化したものです.もっとも大きく,印象に残る業績としては,四つ葉のクローバーをデザイン化した,グリーン車のマークがあります.
 そして同時に,昭和10年代からの熱心な鉄道趣味人でもありました.写真やムービーの撮影,絵画と,精力的に鉄道情景を記録し続けました.その記録の一環として,月刊誌や書籍の編集,レイアウトにも取り組み,月刊誌“鉄道ピクトリアル”の編集を手伝い,“鉄道ファン”では二代目編集長を勤めました.
 その黒岩が,プレス・アイゼンバーンで創刊した月刊誌が“レイル”でした.“ちょっと古い”鉄道の話題を積極的に採り上げ,記録するのが主な目的の一つだったのです.この月刊“レイル”は,途中で若者向けの月刊誌“マイレイル”と合流しつつ,約2年間刊行されました.
 昭和55/1980年には,諸般の事情で月刊誌から,“とれいん”の増刊号として不定期刊化されることになりました.それを機会に,判型は従来のB5から,“とれいん”と同じA4変形判にワイド化されました.これが,現在の“レイル”の,直接的な原点です.今のシリーズ番号は,この時の巻から勘定しています.
 昭和58/1983年には,増刊号扱いから,書籍扱いへと変更されます.本屋さんでの扱いが“雑誌”から“書籍”になるというのは,取引条件などが変動するわけですが,見た目には変わるところはほとんどありません.
 このように,判型や取り扱いの形態は,何度か変化しましたけれど,その理念は,まったく揺るぐことなく引き継がれています.“ちょっと古い”鉄道の話題がメインとはいえ,単なる懐古,そして回顧趣味に陥ることなく,現代や未来の鉄道へと繋がるような編集を目指し続けています.
 一冊で幾つかの話題を組み合わせることによって,1冊の単行本に纏めることが難しい話題を採り上げることが可能ですし,一方では,スペースの都合に制約されることなくテーマを展開することができる自由自在さも,“レイル”の特長のひとつといえます.
 内容的にも,極めて地味な研究記事から気軽な日常の記録発表まで,どのような記録でも硬軟問わずに採り上げますし,日本国内から外国の鉄道まで,守備範囲に制限は設けていません.
 そんな,無限の可能性を秘めているのが“レイル”なのです.

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